目黒寄生虫館

目黒には、世界で唯一の博物館があります。それは“寄生虫”を専門に扱った研究博物館、目黒寄生虫館です。

財団法人目黒寄生虫館は、目黒駅から徒歩約15分の目黒通り沿いにあります。1953年に医学博士である亀谷了氏が私財を投じて創設し、1957年に財団法人になっています。収蔵品数が45,000点にも及ぶ世界唯一の“寄生虫”を専門に扱った研究博物館です。

前々から一度行ってみたいと思っていたこの目黒寄生虫館に行ってきました。

建物の1階と2階が展示フロアになっています。

1階の入り口から一歩中に入れば寄生虫専門の世界が広がります。1階では、そもそも寄生虫とはという概念を知ることが出来ます。

世界で人に寄生する寄生虫は200種類を超えるそうで、日本には100種類が存在するそうです。
2階には様々な寄生虫の生態や危害、世界での分布を知ることが出来ます。
そしてこのフロアにありました。目黒寄生虫館でもっとも有名な展示物と呼べる、長さ8.8mのサナダムシ(日本海裂頭条虫)の標本です。解説によると、
日本海裂頭条虫(にほんかいれっとうじょうちゅう) 人から駆虫した成虫:全長:8.8メートル
幼虫がいるマス寿司を食べた人の腸で成虫になった。食べた後3ヶ月して便と一緒に、虫体の一部がちぎれて出て来たので気がついた。1986年8月、駆虫薬を飲んで全虫体を排出した。自覚症状なし。
なんと「自覚症状なし」なんですね...。魚やイカを食べる日本人に馴染みが深いアニサキスです。感染例は年間1,000例を超えるそうです。
アニサキスの成虫はクジラやイルカに寄生しているということで、アニサキスの寄生したイルカの胃の標本です。
人の虫垂炎(いわゆる盲腸)に寄生していた回虫です。虫垂炎で入院して切除したら中にいたんだそうです。
こちらはマンソン住血吸虫で、標本はハツカネズミの内臓と血管の中に寄生している状態のものです。
エキノコックスは日本では北海道に分布する寄生虫で、私もニュースで報じられているのを聞いた記憶があります。

ということで、いくつかご紹介しましたが、この他にも沢山の寄生虫の標本や、(ブログに載せるのをちょっと躊躇した)解説と写真が展示されています。

また、2階にはミュージアムショップがあり、寄生虫写真のポストカード(!!)や、実際に研究員が採取した本物の幼虫が入っている寄生虫キーホルダー(!!!)などが販売されています。

目黒寄生虫館、実際に行ってみるまではちょっと変わりモノ博物館と思っていましたが、行ってみれば本当に真面目な博物館でした。大変失礼致しました(詫)。入館は無料ですが、1階入り口の横に寄付を受け付ける募金箱が設置されています。もちろん、私も少しですが寄付してきました。

今後も、寄生虫の研究をしている沢山の研究員の方々に頑張って頂き、私たちの健康を支えて頂きたいです。

東京思考

日常の出来事や、気ままに撮った写真など。

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